9.伊勢

[2月10日]
    伊勢山田・葛西嵐朝亭「何の木の」
[2月]
    龍尚舎「物の名を」
    網代民部雪堂「梅の木に」  
    大江寺「いも植て」  

【芭蕉自筆影印】
①「なにの木」ほか句文懐紙
 西行のなみ多 増賀の名利(ミョウリ) みなこ礼まことのい堂る處な利介らし

 な尓の木能花とハ志ら寸尓ほひ哉

 者多可に盤ま多き佐ら支のあらし閑難

(西行のなみだ、増賀の名利(ミョウリ)、みなこれまことのいたる処なりけらし

 なにの木の花とはしらずにほひ哉

 はだかにはまだきさらぎのあらしかな)

(増賀の上人は「名利を捨てよ」と衣類をすべて与えて裸で下向した)
(きさらぎ(衣更着・二月))
(裸にはなれない)

②「ものゝ名を」句文色紙
 いせ尓て 龍尚舎登云介る有職の人耳逢て

 ものゝ名を先とふ荻の和可者閑難
 
(いせにて、龍尚舎と云ける有職の人に逢て

 ものゝ名を先とふ荻のわかばかな )


【句碑】
①神宮霊祭講社
 伊勢市岡本1-17-9

 何の木能花とハしら須尓保ひ可那
(何の木の花とはしらずにほいかな)
(何の木の花とはしらず匂かな)

②詠地付近になし

(裸にはまだ衣更着の嵐哉)

③詠地付近になし

(この山のかなしさ告げよ野老掘(トコロホリ))
       別市町村  岐阜・垂井町③白山神社

④詠地付近になし

(物の名を先づとふ芦のわか葉哉)

⑤詠地付近になし

(梅の木に猶やどり木や梅の花)

⑥詠地付近になし

(いも植えて門は葎の若葉哉)(ムグラ)



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