13.葛城山

【芭蕉自筆影印】
①「なをみたし」句文懐紙
 やまとのく尓を行脚志て 可つらき山能布もと越と越る尓 よも能花盤さ可梨尓咲て み年ゝゝハ霞こ免多類有明乃月も いとゝ(ますます)哀不可き耳 可(彼・一神主神)能美め王るき登いひ遣ん 神のみ可多ち い可なる人の王る口尓や有遣むと いふ可しくおもひう多可ひ亭

 奈をみ堂し花尓明行神の可本

(やまとのくにを行脚して、かづらき山のふもとをとをるに、よもの花はさかりに咲て、みねゝゝは霞こめたる有明の月も、いとゞ(ますます)哀ふかきに、か(彼・一言主神)のみめわるきといひけん。神のみかたち、いかなる人のわる口にや有けむと、いぶかしくおもひうたがひて

 なをみたし花に明行神のかほ )

【句碑】
①一言主神社
 奈良県御所市森脇432

 猶見多し花尓明行神乃顔
(猶見たし花に明行神の顔)
(なお見たし花に明け行く神の顔)


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