22.須磨

【芭蕉自筆影印】
①「夏はあれど」句文懐紙
 卯月(卯花咲)の中比、須磨(白砂青松)の浦一見す うしろ能山盤青者尓う流ハし九 月盤いま多お保ろ尓て 者る能名残もあ者礼な可ら 堂ゝ此浦の万こと盤秋をむ袮とする尓や 心尓ものゝ堂らぬ介しきあ礼者

 夏盤あ礼登留守能やう也須磨の月

(卯月(卯花咲)の中比、須磨(白砂青松)の浦一見す。うしろの山は青ばにうるはしく、月はいまだおぼろにて、はるの名残もあはれながら、たゞ此浦のまことは秋をむねとするにや、心にものゝたらぬけしきあれば

 夏はあれど留守のやう也須磨の月 )

【句碑】
須磨寺
 神戸市須磨区須磨寺町4-6-8

 須磨寺やふ可ぬ笛きく木下闇
(須磨寺や吹かぬ笛聞く木下闇)

②詠地付近になし

(月はあれど留守のやう也須磨の夏)

③詠地付近になし

(月見ても物たらはずや須磨の夏)

④詠地付近になし

(海士の顔先見らるゝやけしの花)

⑤詠地付近になし

(須磨のあまの矢先に鳴か郭公)

⑥詠地付近になし

(ほととぎす消え行く方や島一つ)
 別市町村 兵庫・明石市




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